9月10日(月)から13日(木)、INEFFABLE THÉÂTRE主催のパフォーマンス「Syngué sabour pierre de patience」にダンサーとして出演します!今回は、この企画の主旨や学び、これからについて触れていきたいと思います。
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INEFFABLE THÉÂTREの新企画に出演します。
2018年9月10日(月)、リヨンを拠点に活動の幅を広げているINEFFABLE THÉÂTRE(イネファーブルテアトル)の新企画「Syngué sabour pierre de patience」に出演します!今回の記事では、その主旨や学びから共有したいことをお伝えします。
ダンサーや役者の集中してる姿って、いつも「祈り」に見える。3時間のクリエーションで、見いだせるか?
— Leonaro Jin 🇯🇵🇺🇸🇫🇷 (@jin_leo) 2018年8月21日
Quand je garde un danseur et une actrice qui dans son concentration, ils ont ou sont paru comme prié. #jin_leo pic.twitter.com/e9MJxqCdXf
今から半年以上前の2017年12月にリヨンの国立ダンススタジオでオーディションを受け、ダンサーとして契約を結んで翌年の3月にマルセイユで本格的なクリエーションが開始しました。
当時は自身のアーティストとしての方向性や、これからどんな仕事でマネタイズしていきたいかという戦略を練ってバタバタしていたことを思い出します。
自身のカンパニーを持つということや、共に仕事をするCo-workerを探すなど、理念や想いをアーティストとして発信することに、苦労がなかった訳ではないです。でも、30歳になって自信を持って『美しさ』を伝える必要があったし、個人起業家がキラキラと輝く活動で、かつ収益性のある仕事を増やしたいなぁと感じていました。
ここまで地道ではありましたが、この日本語のサイトを通じて発信を続けてこれたこと、このようにフランス人の人脈の中で仕事ができること、応援してくれるファンやコミュニティのメンバーの方々に見てもらえる機会が増えることは、心の底から嬉しく思います。
では、今回のパフォーンスの概要をお伝えしますので、ご覧ください。
Syngué sabour pierre de patience
ニースの海辺で暖かな岩肌に寝そべって、新作の資料を読み込む…
— Leonaro Jin 🇯🇵🇺🇸🇫🇷 (@jin_leo) 2018年8月17日
フランス語の原文を訳しながら読み終えて、もう一度、最初から最後まで眺めると景色が見えてきます。
ストーリーが全てではないけれど、やっぱりフランス語で共有するものだから精進必須。#me pic.twitter.com/lem3l71EXM
これは、サンゲ・サブール・ピエールドパティオンスと読みます。和訳すると、「悲しみを聴く石」です。
参考 悲しみを聴く石白水社戦場から植物状態となって戻った男。コーランの祈りを唱えながら看病を続ける妻。やがて女は、快復の兆しを見せない夫に向かって、誰にも告げたことのない罪深い秘密を語り始める……。参考:白水社より
まずは、今回のパフォーマンスの主旨の説明から。私自身も、毎回のクリエーションで探りながら模索してるんですが、メインテーマになるのは「共に生きる」2人の男女の関係性です。
特に重要になってくる演出は「不調和」をどう身体で表現するか?つまり、共演するフランス人女優との呼吸をどう合わせ、ずらし、パフォーマンスとして昇華させるか?ってことなんです。
個人が勝手に踊ったり、気持ちだけ先行して身体が疎かになっても破綻するって、正直に行ってプロであれば基礎かもしれませんが、本当に簡単ではないと思います。
とはいえ、私自身、これからは『個人の時代』だと思っています。個人でパフォーマーとして起業したり、世界を舞台に戦っていく人がチカラを発揮する環境はすでに整っています。
そんな時代の流れのなか、私が取り組んでいる大切なことは以下の3つです。
1.呼吸をつかうこと
これは持論ですが、呼吸って人間が生まれた瞬間から死ぬまで、絶対にやめられない行動の1つだと思うんです。だから、その質を意識して見直すことは、舞台に立つカラダを演出する上で欠かせない。
近年、日本人ダンサーのオニール八菜さんや伊藤郁女さんのように、テクニックだけではなく『生き様』そのものが美しい表現者の存在が注目されています。つまり、ステージに立つ一瞬も一生も変わらず美しい、世界を変えられるような創造力のあるパフォーマーが増えていると思います。
国や生活文化が異なっても、呼吸の大切さ、美しさに呼吸で迫ることは間違いなく必要になると感じてます。私は、ライフスタイルそのものに『踊り』の呼吸を持ち込み、価値を高めたいんです。
2.余白を楽しむこと
1人の起業家として、フランスを拠点に企画を考え発信するって正直楽ではないです。休みの日は、カラダを休めつつ各カンパニーやプロダクションとの打ち合わせや連絡に追われることもあります。だから、余白を作って楽しみたい。
C’est pour ça j’ai envie d’aller au Menton. J’adore l’ombre de la montagne et la mer. pic.twitter.com/DhDlyJPXSS
— Leonaro Jin 🇯🇵🇺🇸🇫🇷 (@jin_leo) 2018年8月14日
となると、『真面目に取り組む』ってスタイルは大切にしつつ、『仲間との時間を大切にして、風通しのよい自分でいようよ』というメンタル的な部分にもフォーカスしたくなる。
SROを実践することで、これまでの自分の学びや経験をどんどん活用して、『生きることに繋がる』価値提供ができると良いですね。
3.クリエイティブ
これからはどんな面でも『美しい表現者』としてのブランディングをする必要があると感じています。『美しい』というのは、テクニックや振り付けでもいいし、スタイルやファッションでもいいし、踊りじゃなくて話しかたが美しい!でもいいと思います。
つまり、出会った人の創造力を刺激するクリエイターでありたい。衣装や照明や写真など、自分では手が出せない技術が必要になれば、プロにお願いするぐらいやりたい。
ここから先は長くなるので、メルマガや音声コンサルで詳しくお話ししたいと思います。話を戻して、今回のパフォーマスで私が演じる役柄についてお話しします。
密室で繰り広げられるある夫婦の愛憎劇
せまくて何もない部屋に、戦場から植物状態となって戻った男が横たわる。その傍らで、コーランの祈りを唱えながら看病を続ける妻。やがて女は、快復の兆しを見せない夫に向かって、自分の悲しみ、疼き、悦びについて、そして誰にも告げたことのない罪深い秘密について語り始める。参考:白水社より
今回は、ダンサーである自分と、女優であるフランス人の2人でパフォーマンスを行います。上演中は常に2人の間合いと目線が交じりあい、時にはぶつかり、時には罵り、まるで狂った歯車が回す時計のような違和感が空間を支配します。
あまり話すとネタバレになってしまうので、詳しくはお知らせ動画を見て欲しいと思います。
パフォーマンスの長さは、ある一つの秘密で変わります。それが今回の1番のキモであり、私が今一番ダンサーとして掛けている部分。気持ちと身体、感情と身体、物語と身体、とにかくフィジカルな挑戦が多い本作、ぜひご覧いただければと思います。
最後に
最後に、リヨン在住でお越しいただける方、遠いなか足を運んでくださる方、勇気を出して初めて観に来てくれる方に、この場を借りて感謝申し上げます。
パフォーマンスの内容や、起業家としてのお話しなど、これからも私と関わって仕事をしてくれる仲間を大切にしながら進み続けたいと思います。ぜひ、共に成長していきましょう!