積み重ねて、豊かにしていく

身体の素養は一人一人違う、それは個性だ。だから、一人一人筋肉のつき方も当然違うし、同じ振り付けをしても全く同じになることはない。

だから、一人一人自分の体にあった使いかた、アイデアを熟すために体を豊かに使えるトレーニングは、日々必ず必要だ。

トレーニングで培うべきなのは、なにも筋肉のタフさや体力だけでは無い。センスを養う必要があって、そのセンスは口伝で教えられるものではない。だから、少しずつ、積み上げて、磨いて、足していくしかない。

僅かな筋肉の緩み、肌が空気に触れる感触、骨が静かに向きを変えていく刹那の瞬間に気づく、そしてそれを頭ではなく、身体の記憶として身体中を循環させて覚えていく。

ダンサーとして舞台に立ち続けたいなら、コンスタントなトレーニングを通して身体の状態を維持し続ける質のいいウォームアップが毎日必要だ。

内側に目を向ける時間、集中力は1日では身につかない、センスを必要とする能力だ。